◉設計という仕事は楽しいし、かっこいいというところをもっと伝えたい。
Q.会社で今後をやってみたいことは。
芦沢:買ったお客さんが「どうプラモデルを遊んでいるか」というのは見てみたいですね。
お客さんが遊んで作ってみた際に「こういうパーツが欲しい」という意見が出てくると思います。意見を全部拾えるような大きい会議とかしてもいいかなと。
話し合えればお客さんともっと近い感じで、お客様も「あぁ、コトブキヤってこんな感じで作ってくれているんだ」と親近感を覚えてもらえると思うので、そういう機会を作れていければ嬉しいです。
Q.個人的に今後やってみたいことはありますか。
芦沢:プラモデルを作る仕事は楽しいんですよ。コトブキヤに入る前に居た会社はプラモデルだけでなく家電や車、いろいろなモノを作っていたんです。それなので、いろいろな会社の仕事を知ることができた。
そこで思ったんですけど、モノを作る仕事は分業なんだなって。車ならハンドルを作る人がいて、ブレーキを作る人がいて、組み立てる人がいる。1台作るのに数百人も関わっている。そうなってくると人の数が多すぎて「自分が作った」とは言えない。
「ゼロから100まで作りたい」と思ったとしても、そういうことができるのは日本ではもうほとんどありません。でも、プラモデルの仕事は違う。絵を描くのも、形を作るにも自分で、責任を持たなければならない範囲が広い。
その分仕事もとにかく多いのですけれど、自分でプロデュースしてるという実感があります。もちろん責任も伴いますがやりがいがあります。パッケージに名前も載りますしね。
野内:弊社の場合ですと、プラモデルのパッケージには設計士と原型師の方の名前を必ず入れている。そういう制作側の人を大切にしています。
芦沢:自分で作っているので、ある程度融通が効きます。デザインし終わったあとに「お客さんはこんな武器があったら喜ぶだろうな」と思ったら追加することが出来る。「商品が高すぎるからもっと安く」と言われたら、パーツを減らしたりして、もっと安く済む方法がわかる。そういうのがトータルでできます。守備範囲が広いし、仕事も多いんですけど、それを楽しめる人とっては、この仕事は結構楽しいです。
ですから、設計という仕事は楽しいし、かっこいいのだという所をもっと伝えたいです。